写真

今写真に凝ってます。こう書くとカメラはどうのとか、露出ががどうのという話かと思われがちですが、そういう方面ではなくて、プリント方面(?)です。6x8 6x9のカメラも家にはあったりしますので普通の人が持つ知識とは違う知識を持ってたりはするのですが(コダックのシルクだとやっぱり高級感が出るな、とかそういう感じの知識)、写真を撮るということに関しては正直あまり関心がありません。撮った写真がどのようにプリントとなって出来上がるのか、こちらが今の関心事です(多少仕事に絡んでるので)。


最近のデジカメは性能が良く、500万画素(5M Pixel)の解像度を持つカメラもかなりお手ごろな価格で購入できるようになってきました。通常の35mmフィルムが600万画素と言われていますので、ほぼ同程度の解像度を手に入れたことになります。実際500万画素の解像度で撮影されたデータをベタで記録するととんでもない容量になりますので、JPEG でそこそこの高画質モードで保存することになります。となるとまだフィルムの方が上なんじゃないかと思いますが、これも時間の問題でしょう。JPEG で圧縮されたデータでも 1MB とかあれば全然綺麗ですし。ピントがビタッと合ってる写真を六つ切とかに引き伸ばせばフィルムの方が若干綺麗かもしれない、その程度です。これはカメラが云々の話ではなく JPEG 圧縮の問題なのですが。


さて、こういった高性能デジカメで撮影された画像を写真としてプリントする場合(お店とかに頼む場合ね)、どういう処理が行われているかご存知でしょうか。実は大抵の場合データの方が高解像度すぎるので写真のプリンターで処理出来る大きさまで縮小させています。逆にデータが小さい場合はもちろん拡大させます。で、その処理されたデータをプリントする訳ですが、デジカメで撮影されたデータと写真とでは縦横の比率が違いますので残念ながらトリミングされます(これは仕方ないですが)。そして最終的に写真となって出てきます。


ようするに、今のデジカメの解像度は 2L 程度の大きさの写真よりも上なのです。写真のプリンターもパソコンのプリンターと同じく出力出来る解像度が決まっています。通常 300dpi でものによっては 400dpi とかですね。なので普通に注文した写真は 300dpi で出力されているはずです。L版だと 1000x1500 pixel 程度の大きさですね。2L は L の2枚分。この数字を見て意外に解像度が低いと感じるかもしれませんが、解像度という単位で表現するとこの程度のモンなのです。


さてさて、先ほど画像を縮小してからプリントすると書きました。「へー、そうなんだ」と普通にスルーされてしまいそうな話題ではありますが、実はこの画像を縮小するという作業が思いのほか大変なのです。


では考えてみましょう。

1M を超えるサイズのJPEGファイルを開いて表示するのに、どのくらいの時間がかかると思いますか? 更にその大きさの画像を縮小して保存し直すと、トータルでどのくらいの時間がかかるでしょう。ファイルサイズは 1M ですが、メモリに展開されると 10M 近くになります。そして、その 10M のデータを縮小(もちろんリサンプリング)して、保存する訳です。さぁアナタのパソコンではこれを1枚当たり何秒で処理出来るでしょうか? 注文するお客さんは大抵溜め込んでからプリントしますので下手すると数百ファイル/注文のオーダーでこれを処理していかなくてはなりません。考えただけでもゾッとします。CPU がいくら速くても HDD 等の I/O が速くないと駄目ですし。そうこうしているうちに 10M Pixel なデジカメが主流になってしまうかもしれません(当分無いですかね?)。こうなると、もう Give up!! 処理しきれませんわ…。


という訳で、写真屋さん業界はデジカメの進化に戦々恐々としながら毎日写真を焼いている訳です。ですのでもしあなたが注文する場合、「そーいえばこんな話があったなー」なんて思い出してくれて、適当な大きさまで縮小してから注文に出してあげるときっと写真屋さんは喜んでくれるはずです^^;